YIN/YANG Balance – Part3
YIN/YANGバランスとは Part3
ここではYIN/YANGバランスについてさらに詳しい解説を行います。
YIN/YANGバランスのまとめを簡単に確認する場合はPart1の概要ページをお読みください。
目次
YIN/YANG 陰陽シンボル
陰陽太極図
YIN = 陰 YANG = 陽
陰陽(いんよう) YIN/YANG イン・ヤンと読みます
YIN/YANG理論についてさらに詳しい解説はこちら
YIN/YANGバランスの仕組み
東洋哲学に見られる陰陽シンボルからYIN(陰陽シンボルの黒い部分)とYANG(白い部分)それぞれがどのような性質を表しているのか簡単に解説します。
白は陽(YANG)、黒は陰(YIN)を表します。それぞれ光と影、北と南など、対極の概念を象徴しています。 図1 陰陽対極図
陽の中にある黒い点は陰を内包し、陰の中の白い点は陽を内包することを表しています。陰の中には常に陽があり、その逆もまたしかりです。これらの 2 つのエネルギーは相互に干渉し相互に依存し合い調和しています。実際には 2 つの間に明確な分離はありません。
森井のNote:
陰陽ではなくYIN/YANGという表記を使う理由について
ボディタイプID診断で用いられるYIN/YANG(陰陽)は互いに等価であり善悪や優劣、主従の価値観は含まれません。しかし現代の日本では仏教用語や暦、山陰・山陽地方といった地名、東洋医学、易占い、陰陽師、最近では「陰キャ、陽キャ」などといった使い方で陰陽に関連する言葉はとても身近にあります。
陰陽の概念は古代中国から日本にもたらされ、飛鳥時代の文献にすでに登場するほど長い歴史の経て私たちの文化に定着しています。現在、日本で一般的に使用されている陰陽の概念はボディタイプID診断で扱うYIN/YANGバランスの概念よりもさらに後世の価値観で応用された道教や老荘思想などの倫理観や宗教観、世俗的な背景による影響が非常に大きいと考えられます。
そのため私たちにとって陰陽という言葉には次のような優劣の価値観が先入観として付加される可能性ががあります。陰は闇を表し、陽は光を表すことから感覚的に陰は悪で陽は善というような意味で使用されることも少なくありません。
YANG(陽)優性 真実 本物 良い 善 主人
YIN (陰)劣性 虚実 偽物 悪い 悪 家来
杉浦非水 著『非水花鳥圖案集』,平安堂書店,[18–]. 国立国会図書館デジタルコレクション
これはYIN/YANGバランス理論が発表された1930年代〜1980年代のアメリカの状況とは大きく異なるポイントです。
YIN/YANG理論の研究者のノースラップは陰陽の持つこれらの要素を引用していません。
そのため、漢字を使う私たちにとって馴染みのある陰陽という表記による先入観から少し距離をとる必要があります。このような理由から陰陽に付加された価値観や先入観を区別するために、あえてYIN/YANGとアルファベットで表記しています。
繰り返しになりますが、この診断で使用するYIN/YANGはどちらも等価であり優劣の概念はありません。このことを念頭に置いた上でボディタイプID診断を進めてください。
YIN/YANGの概念を正しく理解したら、ファッション、メイクアップ、ヘアスタイルなどの外観に関するすべての側面を、YIN/YANGのシステムを使ってどのように表現されるのかを学びます。
後述の解説を確認して、YIN/YANGバランスのシステムがあなたの外観にどのように適用されるかをより深く理解しましょう。
服装の基本スタイルや外観要素があなたのYIN/YANGバランスに正しく反映されているか注意深く観察してください。
続いてYIN/YANG(陰と陽)の基本を理解するために、それぞれに関連するいくつかの特徴について解説します。
Mollyの解説:
診断結果のボディタイプIDの解説にあるのはそれぞれのタイプの代表的な例です。これらの概要は区別しやすいようにかなり極端に表現されています。ほとんどの人は、条件に当てはまるような特徴を全て揃えているわけではありません。
私たちは、実際にはYIN/YANGの両方の微妙な側面を常に持っています。これが外観のイメージにどのような影響を与えるかについては後ほど詳しく説明します。まずはタイプ別の基本的な特徴を把握することから始めてください。
YIN/YANGの身体的特徴と本質
おそらく二つのカテゴリーの間で判断に迷うことがあるでしょう。それが普通ですから心配しないでください。YIN/YANGバランスの理解を深めるにつれて後で必ず一つのボディタイプIDに辿り着きます。
私たちはYIN/YANGの両方の属性を持っています。それが私たちの自然の調和を保つものであり、それこそが唯一無二の個性をもつ存在である証です。また、自分が時々YIN/YANGの間で変化していると感じるかもしれません。自分自身の中により強くYINを感じる時もあれば、より強くYANGを感じる時もあります。
または、特定の状況で一方を他方よりも強く投影する必要があると感じるかもしれません。誰もが多面的な存在であり、日々複雑な気分の変化はあります。しかしこれは振り子のように揺れるYIN/YANGの活動にすぎません。
生来のYIN/YANGバランスがオセロゲームのように反転することはありません。
自然現象がYIN/YANGを特定の割り当てによって創造され(太陽と月、山と渓谷のように)それが疑いもなく受け入れられ存在しているのと同様に、あなたも自然の一部として特定のYIN/YANGの要素を配分された存在です。
生まれ持ったYIN/YANGバランスの属性に抗うことは、長い目で見れば遠回りに労力と時間を費やすことになり、その過程で自分を特別な存在にしてくれる大切な宝物を失ってしまいかねません。(もちろん遠回りすることが全て無駄という意味ではありません。自分のYIN/YANGの属性を知った上で試行錯誤するのも人生の選択肢のひとつです。行き先もわからず闇雲にさまようのとは違うからです。)
著作者:Freepik
生まれ持ったYIN/YANGバランスの属性に抗うことは、長い目で見れば遠回りに労力と時間を費やすことになり、その過程で自分を特別な存在にしてくれる大切な宝物を失ってしまいかねません。
もちろん遠回りすることが全て無駄という意味ではありません。自分のYIN/YANGの属性を知った上で試行錯誤するのも人生の選択肢のひとつです。行き先もわからず闇雲にさまようのとは違うからです。
YIN/YANGバランスの仕組みをマスターすると、あなたのスタイルに落とし込む作業にとても役立ちます。実際のスタイリングでこのテクニックを活用すれば、あなたが生来持っている魅力を自在に表現できるようになるはずです。自信を持って優雅に行きましょう。
YIN/YANGバランスによる変容は自分自身との不毛な戦いをやめた後に訪れます。その時あなたの魅力が解放され自然な生気で満たされます。そしてYIN/YANGバランスの調和はさらに多くの刺激的なメタモルフォシス=変容のきっかけとなることでしょう。簡単ではないかもしれませんが試してみる価値はあります。
YIN/YANGの特性が各タイプにおいてどのように現れるのかを見てみましょう。YINとYANGには主に次のような二つの大きな特徴があります。
YIN
・Lush YIN – ラッシュ 大きな目、厚みのある唇、丸みを帯び曲線的でグラマラスな体型
・Petite YIN – プティ 背が低い 小さく短い手足、平均よりも小柄、華奢な骨格 脆く壊れやすい印象につながりやすい
訳注
Lush ・・・ 植物が成長し生い茂る最盛期の様子から転じて、瑞々しい様子や豊満でグラマラスな様子
Petite・・・ 小さい 脆く壊れやすい雰囲気
YANG
・Sharp YANG – シャープ 背が高く細長い体型、角張ったライン、長い手足、シャープな特徴、直線的なウエストライン
・Blunt YANG – ブラント 幅広の体型、筋肉質でしっかりしたエッジ しっかりしていて頑丈な印象につながりやすい
訳注
Sharp・・・ 鋭い 尖った様子 真っ直ぐで細長い
Blunt・・・ 角ばっているが角が鈍い しっかりとした力強い雰囲気
YIN/YANGバランスを使った診断方法については次の項で解説します
YIN/YANG バランス理論 まとめ
〜 YIN/YANGバランスとは 〜
ディヴィッド・キビーの著書「メタモルフィシス」にあるボディタイプ・イメージID診断の基準となる概念のこと。
Ⅰ. 服飾学におけるYIN/YANG理論とその起源について
個人の身体的特徴と衣装の関係を表すために使用された東洋哲学の陰陽論を着想源とする概念。1930年代のアメリカの服飾学研究者ベル・ノースラップを起源とする。現在の直線曲線といった指標を使ったスタイル分析の多くはノースラップのYIN/YANG理論をベースに派生している。
Ⅱ. YIN/YANGの原理とは
YIN/YANGの読み方 陰陽(いんやん)
YIN/YANG(陰陽)の概念とは紀元前の中国を起源とする自然哲学、すべての自然現象を対極する二つのエネルギーの相反と応合によって定義した東洋思想の中心となる考え方のこと。
Ⅲ. 陰陽の男性性と女性性について
男性性(masculinity)のエネルギーと女性性(femininity)のエネルギーは人間を含むすべてのものに両方存在する。YIN=女性、YANG=男性という生物学的な性差による分類はボディタイプ・イメージIDのYIN/YANGシステムでは適用されない。詳細は解説をお読みください。
- YIN要素のみが女性の持つ魅力ではない
- YANG要素が女性美を損なうことを意味しない
Ⅳ. ボディタイプID診断で使用するYIN/YANGバランスの仕組み
- YIN(陰)の要素は受動性・キャッチする受容エネルギー・内側に吸い込む力
- YANG(陽)の要素は能動性・働きかける活動エネルギー・外側に放出する力
このように定義された基本特性から派生した様々な要素を用いて個人の身体的特徴、本質を分類する。
代表的な特徴
YIN : ソフト 曲線的 小さく丸い 曖昧で脆い 後ろに引いて見える
YANG:シャープ 直線的 大きく角ばった ひき締まって硬い 前に押し出して見える
これらの組み合わせによって13種類のボディタイプ・イメージIDに分類される。
Ⅴ. YIN/YANGの身体的特徴と本質
陰・YIN
ソフト 丸い
ソフトで丸みを帯びたシルエット、砂時計のように緩やかで曲線的なライン、流れるようなシルエット、丸くふくらみのある形状、繊細な質感。ランダムな分散性。
膨張 下降 脆い 受動性 内側に吸い込むエネルギー
- 肉感的な体格 華奢な骨構造
- 小柄 短い手足 なで肩
- 柔らかい顎のライン
- 丸みのある顔立ち 厚みのある唇
- 大きくて丸い目
- ぽっちゃりした頬 丸く低い鼻
陽・YANG
シャープ 真っ直ぐ
シャープなエッジのあるシルエット、大胆でしっかりした直線的なライン、細長いシルエット、長方形や三角形などの幾何学的形状。規則的な連続性。
収縮 上昇 頑丈 能動性 外側に吐き出すエネルギー
- 筋肉質な体格
- シャープでしっかりした骨構造
- 大柄 真っ直ぐで長い手足 幅広で直線的な肩
- 尖った顎のライン
- 角ばった顔だち 薄くまっすぐな唇
- アーモンドアイまたは切長の目
- シャープな頬骨 高い鼻筋
KIBBE BODY TYPE IMAGE ID
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